瀬川葉子

In Sapporo, where the Toyohira River flows, I was born.
A solitary inn in the mountains of the hot spring source, upstream of the river.
The sounds of the forest resonate - the croaking of frogs, the chirping of birds, the faint voices of insects,
The river always serving as a basso continuo, enveloping these sounds.
Being there, seeing, hearing, the happiness of being in that world.

Profile

瀬川葉子
瀬川 葉子|Yoko Segawa
1955年、札幌生まれ。札幌在住の美術家。
父の転勤で、紋別、釧路、広尾などに住む。
北海道教育大学特設美術課程卒業。
生まれ育った北国を意識する作家活動をしている。
森や水をイメージする抽象的作品を中心に制作。
また、日々消費される物を、ファイリングし、
日常の不思議さを浮かび上がらせる作品を制作。
二つの事は別々のようで、重なり合う。
ファイルの中に森や水が現れる事がある。
Born in Sapporo in 1955.
Living in Sapporo. Due to my father's transfer, I lived in Monbetsu, Kushiro, and Hiroo.
Graduated from Hokkaido University of Education special art course.
As an artist, I am conscious of the northern country where I was born and raised.
I mainly produce abstract works that evoke images of forests and water.
I also create works that highlight the wonders of everyday life by filing things that are consumed every day.
The two things seem separate, yet they overlap. Forests and water may appear in files.

豊平川の流れる札幌の街で生まれた。
水源に近い上流の土地で幼児期を過ごす日々があった。
水を湛えた樹木たちが、滴るような水滴を川に流していった。
水泡は空に放たれ、のぼっていっき、雲になった。
森の中には、動物だけてなく、トンボや蝶や蛾、オタマジャクシなどが身近で、森の際にある温泉が湧く土地で過ごし、
そこにいる生き物たちと一体になっていた。
記憶はいつまでも私に残り、表現する事で、より確かになった。

近年樹木は地中深く、見えない根を通してもほかの樹木と何らかの関わりをもち、助け合ってもいる事が分かってきている。
目には見えないものたちが共感し合う声を聞きたい。
そこに寄り添い、どうしたらいいのか聞き、迷いながら、生きていきたい。
紙を素材にしているのは、遠くに樹木の記憶を宿していると、感じるから、『何処からやってきたの?』と。

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